本郷高等学校でデータサイエンス教育の出張講義を実施(2026年度)

2026年8月27日(木)・28日(金)、本郷中学校・高等学校(東京都豊島区)にて、中学3年生から高校2年生を対象とした2日間の講座「デジタルサイエンスゼミ」夏期講習を実施しました。各日12名、計24名の生徒がPC教室で1人1台の環境のもと参加しました。担当は電気通信大学 データ教育センター 長瀬 准平 特任助教です。

講義内容

今回の講義では、生徒が実際に手を動かしながら「試して、確かめて、次を考える」学び方を大切にしました。まず予想してみて、実際にやってみて、その結果を見て、なぜそうなったのか考え、最後にもう一度条件を変えて試す。この繰り返しを、1日目は生徒自身が、2日目はAI(コンピュータ)自身が行う、という流れで2日間実施しました。

講義内容

(1) 1日目:数字と音とシミュレーションで遊んでみる
まず、測る回数を減らしていくとデータがどう変わっていくかを確認。次に、音の高さや波形を実際にパソコンで鳴らしながら、音の仕組みを体感しました。後半は、ウサギとオオカミだけがいる簡単な生態系をコンピュータの中に作り、数が増えたり減ったりする様子をシミュレーションで観察。同じ生態系を別の作り方でも再現し、見え方の違いを比べました。

(2) 2日目:AIはどうやって「うまくなる」のかを体験する
AIがどのように生まれ、進化してきたかを年表で紹介したあと、実際のデータを使って「予測する」とはどういうことかを体験。予測がずれた分を数字にして少しずつ直していく、というAIの基本的な学び方を実演しました。学びすぎるとかえって新しい問題に弱くなること(覚えすぎの失敗)も確認。さらに、障害物をよけるゲームをその場でAIに練習させ、点数の付け方を変えるとAIの動き方が変わることを観察しました。最後に、AIがもっともらしいけれど間違った答えを出すことがある仕組みにも触れ、AIへの上手な頼み方についても学びました。

生徒からは、講師へ「なんで数学者になろうと思ったんですか」といった素朴な質問から、1日目のシミュレーションを見て「絶滅したウサギが復活する『バグ』はなんで起こったんですか」といった、仕組みそのものに踏み込む質問まで出てきました。

講師からのコメント

AIは魔法の箱ではなく、たくさんの計算をとても大きな規模で行っている道具です。だからこそ、何を良い結果とするかを決めるのは、いつも人間の側になります。2日間とも生徒のみなさんは最後まで集中して取り組んでくれました。一方で内容が多く、学年の幅もあったため、次の機会があれば実習中心の内容にするなど、工夫していきたいと思います。

おわりに

本郷高等学校での出張講義は、2025年度の佐野 遼太郎 特任助教(実践データサイエンス、3年生300名対象)に続き、今年度は長瀬 准平 特任助教が担当し、少人数・2日間の「デジタルサイエンスゼミ」として実施されました。数式から入るのではなく、音やゲームを通じて実際に試しながら学ぶことで、生徒たちが数学やAIの仕組みに興味を持つ様子が見られました。
電気通信大学データ教育センターでは、今後も中学・高校生がデータサイエンスやAIの面白さに触れる機会を提供してまいります。

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