2024年11月、東京都立武蔵高等学校1年生を対象に出張講義「実践データサイエンス」を実施しました。担当は佐野遼太郎 特任助教です。

講義内容
今回の講義は、1年生を対象に「実践データサイエンス」というテーマで行いました。生徒たちがプログラミングとデータサイエンスを身近に感じ、実生活での活用方法を理解できるよう、以下のような実践的な内容となっています。
実習内容:
・Webスクレイピング体験:東京都立武蔵高校の進学実績データを実際にウェブサイトから取得し、来年度の入学者数を予測する分析を実施
・AI画像認識実験:最新の画像認識AIを使って人物の骨格検出を体験し、AIがどのように人間を認識するかを実験
・確率論を使った戦略ゲーム:コイン投げゲームを通じて、データから最適な投資戦略を導き出すケリー基準の理論を学習
生徒たちは最初「プログラミングは難しそう」「データサイエンスは自分には関係ない」という印象を持っていたようですが、授業を通じて「こんなに身近なことに使えるんだ」「少しのコードでこんなことができるなんて驚き」という新たな発見を得られた様子でした。

生徒の感想
「実際に手を動かして、話を聞くのみならず体験したことによってデータサイエンスの面白さを感じた。」
「プログラミングによる統計やAIというものがどれだけ便利で手軽なのかを知ることができた。」
「データについて、日常生活の色々な所で生かされていると学べた。」
「データサイエンスに興味はあったものの実際にどのように利用されているのか具体的なイメージは持っておらず、非常に高い技能が必要なのだろうと考えていました。非常に難解で大変なものであると感じていたデータサイエンスがとてもおもしろいものであると再確認することができました。」
「初めは、データサイエンスというものへの理解があいまいで、わかっていませんでした。しかし、講義を受けて、実際にどういったものに役立ち、活用されているかがよくわかりました。」

講師のコメント
今回の講義では、理論だけでなく実際に手を動かして体験してもらうことを重視しました。生徒の皆さんが『90点のものをすぐに作る方が、100点を目指して1年かけるよりも価値がある』という実践的なアプローチの大切さを理解してくれたようで嬉しいです。データサイエンスは災害時の医療リソース配分など、社会的に重要な問題解決にも応用できる分野です。今回の体験が、将来の進路選択の一助となれば幸いです。
おわりに
デジタル社会が進展する中で、データを読み解き活用する力はこれからの時代を生きる若者にとって必要不可欠なスキルとなっています。今回の講義を通じて、生徒たちにとってデータサイエンスが身近で実用的な学問であることを実感してもらえたのではないでしょうか。 今後も電気通信大学データ教育センターでは、より多くの中学・高校生がデータの力を体験し、将来の可能性を広げられるよう、出張講義や教材開発に取り組んでまいります。データ活用能力を身につけることで、生徒たちが社会の課題解決に貢献できる人材として成長していくことを願っています。
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